不器用な神野くんの一途な溺愛
「朝から気になって仕方ねーんだよ、はがせ」
「 (え、朝から?) 」
あれ? 神野くん、てっきり今絆創膏に気づいたと思ったけど……あれ?
もしかして、朝から私の事を見ていてくれたの?
「 (みんなが私を無関心の中、みんなが関心を寄せてる神野くんが、私を……? なんか贅沢だなぁ) 」
「ふふ」と笑ったのが、更に神野くんを刺激したらしい。
「剥がせって、そー言ったんだよ」
「……い、や」
「嫌ってお前……」
神野くんは諦めたのか、私に迫った姿勢をやめて、ドカッと椅子に座る。
ちょっと怖かったけど、でも、この絆創膏は剥がしたくないな……。お風呂に入るギリギリまで、つけておきたい。
「で、何かあったのかよ」
「え?」
神野くんが窓の外を見ながら、私に聞いてきた。
今日は初めから窓を開けていて、涼しい風が入っている。
外で部活をしている人たちを、神野くんは意味もなく、ただ目で追っていた。私の答えを、静かに待つように――