不器用な神野くんの一途な溺愛
そう、今日は先輩と一緒に帰る日。
神野くんの欲しい物を教えてもらう条件にって希春先輩が……でも、
きっと先輩は、私に気を遣って「一緒に帰ろう」って言ったんだと思う。
けど、希春先輩……
「 (タイミングが、凄く悪いです……っ) 」
希春先輩をスルーする訳にもいかず、ぺこりとお辞儀をして「これからむかいます」と口パクで伝える。
もちろん希春先輩は一度で口パクの内容を理解出来なかったようで、「?」と頭を傾ける。
私は何度も口をパクパクさせ、必死に伝えようとしていた。
そんな時――
ジャッ
カーテンが壊れたのかと思うくらい重たい音がして、そして、私の視界は遮られた。
目の前にはカーテン。
そのカーテンを閉めたのは……
「か、んの……く、ん?」
「はぁ……だから嫌なんだよ」
苦い顔をして呟いた、神野くん。
「 (物凄く、怒ってる気がする……) 」
このカーテンを開けてはいけない――
神野くんから出るオーラが、私にそう伝えてくる。
神野くんの欲しい物を教えてもらう条件にって希春先輩が……でも、
きっと先輩は、私に気を遣って「一緒に帰ろう」って言ったんだと思う。
けど、希春先輩……
「 (タイミングが、凄く悪いです……っ) 」
希春先輩をスルーする訳にもいかず、ぺこりとお辞儀をして「これからむかいます」と口パクで伝える。
もちろん希春先輩は一度で口パクの内容を理解出来なかったようで、「?」と頭を傾ける。
私は何度も口をパクパクさせ、必死に伝えようとしていた。
そんな時――
ジャッ
カーテンが壊れたのかと思うくらい重たい音がして、そして、私の視界は遮られた。
目の前にはカーテン。
そのカーテンを閉めたのは……
「か、んの……く、ん?」
「はぁ……だから嫌なんだよ」
苦い顔をして呟いた、神野くん。
「 (物凄く、怒ってる気がする……) 」
このカーテンを開けてはいけない――
神野くんから出るオーラが、私にそう伝えてくる。