不器用な神野くんの一途な溺愛
一日中気になって仕方なくて、資料室ですぐに聞いた。けど、お前は肝心なことは喋らねぇ。

何で隠すんだよ、何があったのか俺に言えよ。


『はぁ……だから嫌なんだよ』


だから嫌なんだよ、お前と関わるとろくな事がねーじゃん。いつも貧乏くじ引かされんのは俺だろ?

冗談じゃねーよ。ふざけんな。

俺はもう我慢しねーよ。


新入生代表の挨拶だって我慢したんだ、

兄貴がいる交通委員だって我慢したんだ、

うるせぇ亀井も、最初は苦手だった小野宮も、委員のペアとして不服だったけど素直に受け入れたんだ。


俺はもう充分に我慢しただろ?

だから小野宮、覚えとけ。



「今回ばかりは引かねーよ」



諦めるつもりはねーんだ。

兄貴のモノにならずに、早く俺のことを見ろ。そして早く好きになれ。



俺はお前を、我慢しない。



*神野 斗真*end

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