不器用な神野くんの一途な溺愛
「 (しばらくは一緒になったから安心しろって言われても.......) 」


神野くんがそばに居るだけで、私の心は全くの平常心ではいられないのですが.......。


よくも昨日はあんな冗談を言ってくれわね


とカッコよく言ってみたい所だけど、神野くんは私を前にして「何も気にしてません」みたいな、何とも涼しい顔をしている。


私だけ気にしてるのも恥ずかしい……。


これは、昨日のことはもう「なかったこと」にして、いつも通り話すのが一番良いのかもしれない.......。


「俺の後ろをついてこい」

「う.......ん」

「本当はチャリで移動すんだけど、雨で残念だったな。結構歩くぞ」

「わ、わか.......た」


神野くんの背中を見て、激しい雨の中を歩く。ピチョンピチョンと、2人が歩く音に合わせて、雨音も楽しそうに跳ねていた。
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