不器用な神野くんの一途な溺愛
皆が夢中になるの、分かるよ。

神野くんは見た目は少し怖いけど、中身はこんなに優しい。

喋ったら喋ったら分だけ、触れたら触れた分だけ、神野くんが相手の人を思っているのが、こんなにも伝ってくるんだもん。


「 (と言っても、昨日の絆創膏の事はまだ許してないけどね.......っ) 」


あと、タチ悪い冗談言った事!

仕方なく水に流すけど、私の中ではいつだって忘れられないんだから.......っ。


と、色んなことを考えていて、ふと思う。

神野くん、静かだなぁ.......。

不思議に思って顔を上げると、私をジッと見つめている目と視線が合いました。


「な.......に.......?」

「お前の百面相を見てた」

「ひゃくっ......! し、して、ない」

「してた」


「してない」と強気で返すと、神野くんはしばらく考えた素振りをして「あと思い出してた」と、柔らかく笑う。
< 138 / 425 >

この作品をシェア

pagetop