不器用な神野くんの一途な溺愛
「なぁ、小野宮」

「〜っ!」


神野くんの顔が目の前にある。

恥ずかしさで、おかしくなってしまいそうだった。


「小野宮、ちゃんと俺を見ろ。ちゃんと聞け」

「やっ.......はず、かし.......っ」


見て欲しい神野くんと、見られたくない私。

だけど勝ったのは、神野くん。


「好きだ」


この言葉で、私は動けなくなってしまい、

やっぱり神野くんの手によって、見つめあってしまう。


「す.......き.......?」


聞き間違いかと思った。でも、見つめあった目が、見てしまった彼の顔が、それを否定する。


神野くんの全身が、私に好きだと伝えていた。

固まる私に、神野くんが私の頭を撫でる。
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