不器用な神野くんの一途な溺愛
「何でだって思うだろ。どうしてだって、分かんねーだろ」

「 (コクン) 」


素直に頷くと、神野くんが笑った。クシャッと、まるで少年がするような笑顔。

そして「俺もだ」と言って、今度は眉を下げて笑った。


「気づいたらお前を目で追って、気づいたら好きになってた。誰かを守りてぇと思ったのは初めてだ」

「 (あ、昨日の.......) 」


帰り際に神野くんに言われたことを思い出す。


『俺なら、お前に絆創膏なんて貼らねーよ。お前を守る。傷一つ付けさせねぇ。

だから……早く俺を見ろよな』


思い出して、また顔が熱くなる。

昨日のあれは冗談じゃなかったんだって思うと.......っ。


「 (本当に神野くん、私のことが好きなんだ.......) 」


神野くんから送られる熱で、溶けてしまいそうになる。私は熱を帯びた目を、神野くんに向けた。
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