不器用な神野くんの一途な溺愛
「か、んの.......く.......」


嬉しい。幸せ。

私は、いらない子なんかじゃないんだ。

雑用係でもなく、存在を忘れられるでもなく、一人の人として、私のことを見ていてくれる人が居る。


それだけで、本当に幸せ。

でも――


「 (でも違う。それは、恋愛感情じゃない.......。

それに、私は.......っ) 」


私は言わなきゃいけない。

神野くんがこんなに必死に伝えてくれた想いを、私がどう返すのかを、きちんと、伝えなければいけない。


「わ、わた.......し.......」


意を決して口を開いた、その時。


「分かってる」


神野くんが、笑わずに言った。
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