不器用な神野くんの一途な溺愛
「 (なんで、神野くんと希春先輩は兄弟なんだろう.......残酷すぎるよ.......っ) 」


雨か涙か――

私の頬を一粒の雫が、こぼれ落ちた。


その時だった。


ペシッ


「い、た.......」

「泣くな、うぜぇ」

「え.......」


見ると、いつもの強面の神野くん。

傘に乗った雨を傾けて落としながら、「女子っていつもそーだよなー」と面倒くさそうに話した。


「勝手に憐れむんじゃねーよ。俺はお前を好きにならせるって、宣戦布告したつもりなんだぞ」

「せんせ.......え?な、に?」

「だから、お前は絶対俺を好きになるって、そう言ってんだよ」


自信満々に言ってみせる神野くんに、ポカンと、口がだらしなく開いてしまう。
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