不器用な神野くんの一途な溺愛

「へ、へへ.......っ」



思わずふにゃと笑ってしまう。酷いプレッシャーからの開放感というのもあるけど、でも、素直に嬉しい。

私、少しずつ喋れるようになってる!

だけど神野くんは別のところで感極まったらしい。


「あー、もう.......やべぇ.......」


一言、絞り出すように喋ると、真っ赤にした顔をゆっくり私に近づけた。

角度を変えて“ 何か”を合わせるかのように。


「 (あ.......キスされる.......っ) 」


さすがの私でも分かる。

でも「神野くんにキスされる」というのが分かった所で、なすすべはない。

いつの間にか神野くんに抱きしめられて両手は自由がきかないし、後ろはブロック塀で逃げ場がない。
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