不器用な神野くんの一途な溺愛
もう! 神野くんのバカ.......っ。


そう覚悟を決めた時、あと数ミリのところで神野くんが止まった。

そして、真っ赤になってプルプル震えている私を見て、


「お前、初めて?」


と、色気を帯びた声で聞いてくる。

「はい」ということも、頷くことも、もう出来ない。

私は恥ずかしさから、ただポロポロ泣くだけだった。


そんな私を見て「ごめんな」という神野くんではない。


「じゃあ、これで勘弁してやる」

「んっ.......!」


ただ唇を合わせるだけのキスを、長い間、私にした。


「 (全身が、溶けてしまいそう.......っ) 」


キスではない
唇が当たっているだけ


そう思おうとしても、神野くんの唇から伝わる熱が、私を麻痺させていく。
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