不器用な神野くんの一途な溺愛
雨と熱
交通委員の初仕事の日――
それは「神野くんと初めてキスをした日」へと変わった。
「 (キス.......された.......神野くんに) 」
交通委員の仕事が終わり、無事に学校へ戻ってきた私と神野くん。
走ったからか、雨に濡れたからか.......。いや、それともキスされたからかな.......?
私は一限目が始まる前から熱を出し、現在は保健室のベッドで横になっている。
「 (あの神野くんと.......キス.......) 」
昨日の絆創膏もなかなかのインパクトがあったけど、今日はその比じゃないよ.......。
何回も「キス」という単語を思い浮かべては、体が熱くなっているのを感じる。
そりゃ、熱も下がらないわけだ.......。
「 (でも、柔らかかったな.......神野くんの唇.......) 」
保健室の天井を見ながら、自分の唇をフニッと触る。