不器用な神野くんの一途な溺愛
「.......え?」
今の、神野くんの事だよね?
神野くんの名前だったよね?
聞き間違いではなかったと思う。
でも、なんで? 先生の声ではなかった。あれは――
「だ、い.......じょ、ぶ.......かな.......」
心配で、むくりと起きる。
カーテンを少しだけ開けると、先生はいなかった。
「.......すこ、し.......だけ.......」
おぼつかない足を地面につける。なかなかスリッパが見つからず足をバタバタしている間に、飾ってある時計を見た。
「 (10時30分.......ちょうど休憩時間) 」
じゃあウロウロしても、紛れるから平気かな.......。
私はフラフラしながら、保健室のドアを開ける。すると案の定、廊下にはたくさんの生徒がいた。