不器用な神野くんの一途な溺愛
「莉子ちゃん?」


聞き覚えのある声に、思わず振り向く。

すると、そこには、


「やっぱり莉子ちゃんだ! でも、どうしたの?そんなに顔を赤くして、それに.......わ、すごい熱!」

「き、きは.......せ、ぱ.......」


ノートや教科書を持った希春先輩が、私の目の前に立っていた。


「莉子ちゃん、保健室行こう! しんどかったんだね、背中に乗って!」

「や、あ、の.......」


その保健室から忍び出てきました、とは言えず.......。

だけど、このままだと、連れ戻される.......!

希春先輩に嘘をつくのは嫌だったけど、会議室に忘れ物をしたと嘘をつき、何としてもそこへ行きたいと伝えた。


すると――

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