不器用な神野くんの一途な溺愛
神野くんのいない教室





神野くんがおばあちゃんと話している間、私は階段に隠れて、2人の話を聞いていた。


「ズズっ.......」


聞いてると、涙がどんどん零れていく。

私がどれほど無知で、皆から守られていたのか、この時初めて知った気がする。


だって――


知らなかった。

今までおばあちゃんに後ろめたさがあって、足の話はなるべく避けてきたけど、おばあちゃん、あんな事があっても私の事を好きでいてくれてるんだ……。


それに、知らなかった。

こんな私でも好きで居てくれる人が、こんなに心強い人ばかりだっていうことも……。


「か、の……くん……っ」


『小野宮にはもちろん喋れるよーになってほしいけどな……まぁ、そのままでもいいかなとも思うぜ俺は。

だって小野宮――


今のままでも充分かわいーだろ?』

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