不器用な神野くんの一途な溺愛




そして風邪が治り、ついに登校できる日。


ガラッ


期待を込めて教室を開け、中をグルリと見回した。

だけど神野くんがいた席には、神野くんどころか……

神野くんの机も椅子も、何もかもが無くなっていた。


「……へ?」


え? あれ?

ど、どういう事?


皆は普通に過ごしていて、いつもの光景と何も変わらない。ただそこに、神野くんがいないだけ。


いない“ だけ”……?


「か、んの……くん…… 」


その一つのことが、今の私には重要な問題な気がして……来た道を急いで戻る。
< 186 / 425 >

この作品をシェア

pagetop