不器用な神野くんの一途な溺愛
真面目が取り柄の「あの」小野宮がサボるなんて、意外すぎんだろ。

けど裏を返せば、それだけ「話したい」って事なのか?


お前「が」好きな兄貴の事を?

お前「の」事が好きな俺に?



「(今日は厄日だな……)」



項垂れて席に座る。

俺が座った席の前に来て、立ったまま小野宮は話し始めた。



「さっき、見守りの時……希春先輩が、変……だったの」

「は?今日の見守りは兄貴と一緒だったのかよ?」

「そうだよ……って、あれ?

希春先輩は、神野くんが、昨日の夜、確認しに、来たって……言ってたよ?同じ苗字、だから、どっち、なんだって……」

「そー…………だったな。忘れてたわ」



自分自身を落ち着かせるため、一呼吸おく。そして何事もなかったように、話を続けた。
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