不器用な神野くんの一途な溺愛
「で、その兄貴が何だって?」

「え?あ、うん。なんか⋯⋯悩んでる……みたいな……元気が、なくて……。」

「ふぅん……」


俺が黙ったのを見て、心当りがあるのだと踏んだ小野宮。

だが、残念だが検討違いだ。



「俺はなんも知らねーよ。兄貴も、家じゃ普通だったしな」

「そう、なんだ……」

「俺が気になったのはむしろ、」



と喋りかけて、止める。小野宮の不安そうな顔が目に入ったからだ。

ここで話すのは、賢明じゃねーな。

「……なんでもねーよ。

それで?俺に家でリサーチしてこいって?兄貴に元気がねぇ理由を」

「え……?や、違うの……。

希春先輩が、元気なかった、のは……すごく心配、した。

けど、私……」



ギュッと、手に力を込める小野宮。あまりに力を入れすぎて、ただでさえ白い手が真っ白だ。

俺は包み込むように、その手を握った。

すると、小野宮は……
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