不器用な神野くんの一途な溺愛
「あら、弟くん」
「おう、副委員長」
挨拶をしただけなのに、周りの女子がヒソヒソ話してるのが聞こえる。
「いーなー」とか「ズルいー」とか、そんな声が聞こえた。
「おい」
声のした方を見て、思わず声をかけちまった。
イライラしてたから何を言おうか何も考えてねぇ……くそ。なんて言えばいーんだよ。
けど、そこで目にした「三年の」女子達。
小野宮よりも大人っぽい女子たち。
「(小野宮もこれくらい成長したら“ 恋”が何なのか、さすがに気づいてるんだろーな)」
そう思ったが、急いで訂正だ。
だって、さすがに鈍感が過ぎるだろ。三年間オアズケとか、さすがに待てる気しねぇよ。