不器用な神野くんの一途な溺愛
「(でもあの小野宮だぞ。平気で人をときめかす言葉を吐いて“ 微塵も好きじゃない“ とか抜かす、あの鈍感オンナだぞ?)」



もしかして、

覚悟しねーといけねーかもな。



「はぁ……」



ため息が出て、女子たちを見るのをやめる。

すると、



「見た?今の王子!いつもは狂犬っぽいのに、憂いに満ちた表情して」

「クルよねぇ〜」

「ソソるわぁ」

「あの熱を持った目で見つめられたいよねぇ」



その声は俺や副委員長、そして当然、兄貴の耳にも届く。



「さすが我が校の王子。モテモテだねぇ」



茶化すように俺の肩を叩く兄貴。

クソ、腹立つ……。
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