不器用な神野くんの一途な溺愛
『たった一人の“ 誰か”が手を差し伸べてくれるだけで、地味子って案外逞しく変われるものなのよ』
『で……言いたいことは?』
『何もその“ 誰か”が委員長じゃなくて、あなたでもいいんじゃない?って話よ』
副委員長は、兄貴が世話を焼く小野宮の存在を心配していた。二人が付き合うんじゃねーかって。
だから、その世話役を俺がすれば良いじゃないかと持ちかけてきた。
そして俺は――その話に乗っちまった。
いや、気づいたら乗ってた、と言うべきか……。
「(小野宮の仮面の下をもっと見てぇって思ったら、つい言っちまったんだよな)」
俺がお前を変えてやる――って。
だから、その日、小野宮と解散したその足で、副委員長を探した。
そして何とか合流できた副委員長に、小野宮と特訓することになったと話した。