不器用な神野くんの一途な溺愛
『そっちの要件飲んだんだから、これからは、俺の要件も飲んでくれよな』



無事に同盟を組んだ後、手初めに、小野宮の見守りのペアを「俺」に変えてもらうように頼んだ。



後は兄貴の推察通りだ。


今朝の放送も、俺が副委員長に頼んでやってもらった。


小野宮を驚かせたかったし、まさか兄貴にここまで気づかれてるとも思わなかったしな。


けど、兄貴はそれが気に入らねーらしい。「それに」と副委員長を見た。



「以前、斗真が放送で呼び出されたアレも。


小野宮さんが風邪で倒れて曖昧になってたけど、あの放送も上重さんだった。


現に、俺と小野宮さんがコッソリ覗いた時、二人は何か話してたでしょ」


「キスの噂が流れて、それを叱ってただけよ」


「“ こんな問題になるくらいなら、ペアの交代なんて許すんじゃなかった”



――大体こんな内容かな?」



「……」

「(おいおい……)」
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