不器用な神野くんの一途な溺愛




こういう時は大体、校舎裏にいるよな――ほぼ勘だけど、当たった。

校舎裏でブロックの段差に座っている副委員長を見つけた。


その瞬間に、チャイムが鳴る。


午後の授業の始まりだ。



「おーい、副委員長〜」

「! 弟くん、かぁ……」

「あからさまに残念がるの止めてくんね?」



さすが図太い女だな。

さっき泣いてたのも忘れたように、今では案外普通にしていて、手持ち無沙汰なのか雑草を抜いている。



「残念がってないわよ。神野くんなら絶対追いかけてこないだろうなって分かってたから」

「さすが、よく分析してんだな」

「まぁね……」



好きだからね



その一声が、悲しく聞こえる。

やっぱ副委員長も、人並みに傷ついてんのか?
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