不器用な神野くんの一途な溺愛
◇
こういう時は大体、校舎裏にいるよな――ほぼ勘だけど、当たった。
校舎裏でブロックの段差に座っている副委員長を見つけた。
その瞬間に、チャイムが鳴る。
午後の授業の始まりだ。
「おーい、副委員長〜」
「! 弟くん、かぁ……」
「あからさまに残念がるの止めてくんね?」
さすが図太い女だな。
さっき泣いてたのも忘れたように、今では案外普通にしていて、手持ち無沙汰なのか雑草を抜いている。
「残念がってないわよ。神野くんなら絶対追いかけてこないだろうなって分かってたから」
「さすが、よく分析してんだな」
「まぁね……」
好きだからね
その一声が、悲しく聞こえる。
やっぱ副委員長も、人並みに傷ついてんのか?