不器用な神野くんの一途な溺愛
「あんな啖呵切って平気かよ?」
「平気に見える?
ずっと気持ちを隠してたのに、あんな形で告白しちゃって……バカみたいよ」
「ハァ」とため息をついて、土の上を歩くダンゴムシを丸める。心做しか、副委員長も、背中をキュッと丸めた気がした。
「同じクラスなのに、委員会だって同じなのに、これからどうしよう……」
「ずっとサボるか?今みたいに」
「バカ言わないでよ」
「案外本気だぜ。俺もサボりてー気分なんだよ」
副委員長が俺の方を向く。
そして「何があったの」と尋ねた。
「別に。鈍感なヤツを相手すると、ウゼーなって話だよ」
「ふふ。小野宮さん、鈍感なのね」
「国宝級のな。兄貴も兄貴でポンコツだし……。
俺ら、似た者同士を好きになった、似た者同士だな」
すると、副委員長が「あはは!」と笑った。
体を伸ばして歩き始めたダンゴムシを見て、副委員長も立ち上がる。