不器用な神野くんの一途な溺愛
「 (先生の呼び方で違和感があったなら……友達?) 」



いや、でも……友達はキスしないよね……?神野くんが無理やりしたと言えば、そりゃそうなんだけど……っ。

何故か、私も全力で拒まなかったし……。



「 (思い出しただけで、暑い……っ) 」



すごいスピードで顔が赤くなる。全身から汗がジワジワ出てくるのを感じ、急いで手で扇いだ。


すると「はい」と遠慮がちに、私に差し出された手。

その手には、うちわが握られている。



「よかったら使って。今日暑いし」

「あ……」



中島くんとは反対の、私の席の隣の人――早乙女(サオトメ)くん。無口だけど怖くなくて、いつも穏やかな表情をしている人。
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