不器用な神野くんの一途な溺愛
「はぁ……」
もう何度目かになるか分からないため息を着いた、その時。
「元気ないね」
うちわを貸してくれた早乙女くんが、帰り支度をしながら私を見ていた。
「元気……ないことは、ない……んだけど……」
「ぷ、どっち」
静かに笑う早乙女くん。滅多に見られない早乙女くんの笑顔に、思わず私もつられてしまう。
すると早乙女くんが「聞くよ」と、帰るはずだったのに、また着席した。
「何かあったか、俺で良ければ聞くよ」
「え、でも……」
「隣でずっとため息つかれても気になるしね」
そしてまた、早乙女くんは笑った。
私は恥ずかしさから、早乙女くんから未だ借りていたうちわで、顔を隠す。
もう何度目かになるか分からないため息を着いた、その時。
「元気ないね」
うちわを貸してくれた早乙女くんが、帰り支度をしながら私を見ていた。
「元気……ないことは、ない……んだけど……」
「ぷ、どっち」
静かに笑う早乙女くん。滅多に見られない早乙女くんの笑顔に、思わず私もつられてしまう。
すると早乙女くんが「聞くよ」と、帰るはずだったのに、また着席した。
「何かあったか、俺で良ければ聞くよ」
「え、でも……」
「隣でずっとため息つかれても気になるしね」
そしてまた、早乙女くんは笑った。
私は恥ずかしさから、早乙女くんから未だ借りていたうちわで、顔を隠す。