不器用な神野くんの一途な溺愛
「じゃ、じゃあ……このままで……話して、いい……?」

「うん、いいよ」



顔を見られながらだと、やっぱり恥ずかしいから……うちわを借りていて本当によかった。



「あ、あのね……」



ポツリポツリ。

自分の気持ちの整理をしながら話す。

自分でも、なんでこんなにモヤモヤするのか分かってないから。


早乙女くんなら、このモヤモヤが分かるかな?



「尊敬する、男の人が……自分じゃない、別の女の人と……いたと、して」

「うん」

「それを、見て……モヤモヤ、するのって……なんだと、思う……?」



私の言いたい事、伝わったかな……?

うちわ越しだけど声はきちんと届いたかな?


不安になって、チラリと覗く。
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