不器用な神野くんの一途な溺愛
「会議室で別れた後、俺はずっと小野宮に会いてーって思ってたのにな。

なのにお前ときたら、喋れるようになったその口で、男と楽しそうに喋ってんだもんな」

「え……?」



いつもと違って、神野くんは静かだ。

静かに、怒ってる感じだ。


でも、なに?

私が何か悪いことしたの?



そこでふと、神野くんの後ろに目をやる。すると早乙女くんが「ごめん」のポーズをして、ドアから廊下に出ていった。



「(追いやったの?早乙女くんを?)」



私にあんなに親切にしてくれた人に、神野くんは強引に席を奪ったの?



「……ど、い」

「あ?」

「神野くんは、ひどい……っ」



言っちゃいけない、とか、

言ったら後悔する、とか、

口に出すまで色々考えたけど……


でも、言わせて神野くん。
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