不器用な神野くんの一途な溺愛


『どーせお前も“見た目も性格も正反対だ”とか思ってんだろ』

『どーせ俺は愛想良くねーよ。ニコニコできねーよ。だって今更だろ。どうせ俺は似合わねーんだよ。それに、出来たらとっくにやってるっての』



あのムッとした表情。

眉間にシワを寄せて、不貞腐れたような顔。

その表情に見え隠れする「劣等感と羨望」。



「なれるなら、希春先輩のように、なりたかった……神野くんの、口ぶりは……そんな風に、私には、聞こえました」

「斗真が……」



希春先輩は驚いた顔をして、素早く机に伏せた。顔の横に腕をピッタリくっつけて、顔を見られるのを完全にガードしてる。



「せ、先輩……?」

「いや、ごめん。ちょっと……あまりにも、その……嬉しくて」

「へ?」
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