不器用な神野くんの一途な溺愛
「これからもお友達として、仲良くしてくれるかな?」

「も、もちろんです……っ」



よかった、これからも希春先輩と仲良くしていいんだ……っ。


思っても見なかった言葉に、思わず笑みが零れる。これからぎこちなくなったり、話せなくなるのは嫌だったから……。



「(よかった……っ)」



繋いだ手が離れても、もう寂しくない。だってこれからはお友達として、希春先輩の隣に並べるんだもん。



「へへ……っ」



喜ぶ私を見て、希春先輩も笑った。

そして、



「ほら、行かないと。校舎内で誰かが暴れまわってるんじゃないの?」

「誰か……?」

「誰に追いかけられてる莉子ちゃんを、俺は庇ったんだったかなぁ~?」

「……あ」



瞬時に思い出す。

そうだ、私、神野くんに追いかけられていたんだった!
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