不器用な神野くんの一途な溺愛
「希春先輩、話を聞いてくれて、ありがとう、ございました……っ」

「ううん、こちらこそ。話せて嬉しかったよ」

「私もです……っ」



ヒラヒラと手を振ってくれる先輩に、私も手を振り返す。

そしてお辞儀をして、廊下に出た。



パタンっ



「……よし」



私は歩き出す。

もう宙ぶらりんの私ではない。

心の中の違和感も、綺麗になくなった。

あとは――

神野くんに会って、私の気持ちをもう一度確かめるだけ。
< 309 / 425 >

この作品をシェア

pagetop