不器用な神野くんの一途な溺愛
「私が、神野くんを、好き……」



希春先輩のいうように、私が神野くんを好きだとしたら……

今までの全ての事に納得がいく。



抱きしめられてもキスされても嫌じゃなかった。神野くんの隣にいるのは私じゃないとモヤモヤしてしまうほどに、私は神野くんの事を独り占めしたいって思ってた。

これは、独占欲だ。

神野くんは私だけの神野くんでいてほしいっていう、恋の病だ。


カチっ


歯車がかみ合った音がする。

私の中の感情が絡まることなく、歯車はきちんと回り始めた。



「やっぱり、これは恋なんだ……っ」



散らばっていた点が一本の線になり、私はやっと自覚できた。

今まで、この気持ちに蓋をしていて気づけなかった……朝、神野くんにひどい事を言っちゃった私を叱りたい。
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