不器用な神野くんの一途な溺愛
「あ、ありがとう、ございました……?」

「どういたしまして。さっき弟くん……神野斗真くんに会ったわよ?三年の教室まであなたを探しに来てたけど、何があったの?」

「(さ、三年!?)」



結構広い校舎なだけに、神野くんの体力の凄さを実感した。



「あ、あの……それで、神野くんは、今、どこに……?」

「さあ、さすがにもう帰ったんじゃない?すごい汗だったから、早く帰ってお風呂に入った方がいいって言ったのよ」

「わ、わかり、ました……ありがとう、ございました……っ!」



お辞儀をして、素早くこの場を後にする。

後ろから副委員長が何かを言った気がしたから、後ろを振り返ってみたけど……


ガララ



副委員長は、希春先輩がいる化学準備室に入って行ってしまった。
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