不器用な神野くんの一途な溺愛
「そんなカッコいい上重さんに好きって言ってもらえて、俺は嬉しかった。素直に、嬉しかったんだよ」

「……」

「ありがとう、好きって言ってくれて。まだ知らない上重さんの事を、知っていけたらいいなって思うよ」



すると上重さんは「プ」と笑った。



「三年間も一緒のクラスだったのに、まだ私の事しらない事あるの?」

「そ、そりゃあるよ!」

「私は知ってるわよ。神野くんは鈍感だってことも、いま傷心中だってことも」

「!」



傷心中――

その言葉が胸に刺さる。

自然と、ため息が出た。
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