不器用な神野くんの一途な溺愛
「そっち、俺んちじゃねーよ?」
「え……わ、わか、ってるよ……っ」
顔を真っ赤にして、戻ってくる小野宮。それが意味もなく可愛く見えて、俺はへたり込んで笑ってしまう。そんな俺の前を通る小野宮。ムスッとした顔をして、俺の前を通り過ぎるかと思いきや――
ちゅっ
「……は?」
「仕返し……」
自分の長い髪を使って俺の顔を隠し、その隙にキスをしてきた。
くそ……またやられた……っ。
「おい、そーゆーのを上げてるってゆーんだよ……!」
「……こう?」
やっぱり手を挙げる小野宮。その姿を見た俺は「バカな奴」なんて言いながら、立ち上がって抱きしめた。