不器用な神野くんの一途な溺愛


どうぞ――

その言葉とともに、お化けの衣装がはがされる。

出てきたのは莉子……だけど……



「と、斗真くん……」

「……」



化粧をしている、莉子だった。



「どう神野くん!この前みんなで買い物に行って、莉子ちゃんに似合うお化粧道具を片っ端から買い占めたの!似合ってるでしょ~!」

「は、はずかしいよ~みゆきちゃん……っ」



そういう莉子は顔だけじゃなくて髪の毛も綺麗にセットされていて……一瞬、本気でどっかのお姫さんかと思った。



「斗真くん……?」

「……あ?あぁ」

「やっぱり、に、似合わない……よね」



再びお化けの衣装の中に隠れようとする莉子。

それを、間一髪のところで阻止した。
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