不器用な神野くんの一途な溺愛
後で莉子に話を聞くと、俺がいない間にクラスの女子と仲良くなれたらしい。

三年は兄貴と副委員長が目を光らせて、俺へのファンを大人しくさせている。二年生は、俺が飛び級していた時に牽制しておいた。一年は……どうやら、莉子の可愛さにあてられて、憎さよりも可愛さの方が勝ったらしい。


莉子に向けてよからぬ事をしようとする奴は、後にも先にも現れることはなく、俺らは順調に彼氏彼女を全うできていた。



「あ、ねえ、上重先輩の出し物を見に行こうよっ」

「上重……あ~、副委員長か。お前、いつそんなに仲良くなったんだ?」

「え、この前……斗真くんの家にお邪魔した時に、廊下ですれ違ったの」

「は!?」



初耳だぞ、どうなってやがんだ兄貴……。


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