不器用な神野くんの一途な溺愛
すると、莉子が笑った。

そして――



「不器用だけど一途な、私の大好きな人……かな」

「……あっそ」



また「上げられる」。

今度はいつ「落とされる」のか――



「なあ莉子」

「ん?」

「キスしていい?」

「……ふふ」



ニコリと笑った、俺の彼女。

その小さくて可愛い手でバッテンを作り、俺に見せた。



「ここ学校だよ?」

「へーへー、そう言われると思ってた」



やっぱり落とされた、なんて思っていると。莉子が、



「だけど、」



と意味深に笑い、空いている教室に俺を引っ張って入る。

そして――



「ココでなら良いと……私は思うんだけど、」



どうかな?


そう言って恥ずかしそうに笑う莉子が愛しくて、どうしようもなくて、



「ったく、仕方ねーな」



なんて緩みまくった顔で言いながら、可愛い彼女を抱きしめる。


そして何度もなんども優しくキスをして、二人で笑い合った。




【 End 】


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