大学生をレンタルしてみた
利用申込表には「飯塚晴人」と見たことのない名前が書かれてあった。
彼が2時間もしないうちにまた窓口にやってきた。手ぶらだ。
「すいませーん」と大声で職員達に声をかけるが、明らかに私を見ている。
私は学祭のサイトを更新する手を止め、急いでカウンターへと向かう。
「どうしました?」
「ボールが変なとこ上がっちゃって」
晴人はヘラヘラと笑う。
「ちょっと来てください」
そう言ってスタスタと歩き出したので、私は業務が中途半端なままこの場を離れることに躊躇いながら業務室を出た。
そんな暇じゃないんだけど。
「すいません、ぶっちゃけ忙しいですよね」
体育館へと向かいながら彼は言う。
「大丈夫です」
口ではそう言うけど、早く学祭の情報直さないといけないんだよ、と心の中で思う。
「椎果さんって上の名前何ですか、っていうか名前椎果で合ってますか」
「はい、木下椎果です」
「木下さんなんだ!あ、名札に木下って書いてある」
彼は1人で盛り上がって1人で笑う。
「下の名前で呼ばれるのまずいですか」
「なんで下の名前知ってるのってなるから上の名前で呼んでほしい」
「えーどうしよっかなあ」
彼が2時間もしないうちにまた窓口にやってきた。手ぶらだ。
「すいませーん」と大声で職員達に声をかけるが、明らかに私を見ている。
私は学祭のサイトを更新する手を止め、急いでカウンターへと向かう。
「どうしました?」
「ボールが変なとこ上がっちゃって」
晴人はヘラヘラと笑う。
「ちょっと来てください」
そう言ってスタスタと歩き出したので、私は業務が中途半端なままこの場を離れることに躊躇いながら業務室を出た。
そんな暇じゃないんだけど。
「すいません、ぶっちゃけ忙しいですよね」
体育館へと向かいながら彼は言う。
「大丈夫です」
口ではそう言うけど、早く学祭の情報直さないといけないんだよ、と心の中で思う。
「椎果さんって上の名前何ですか、っていうか名前椎果で合ってますか」
「はい、木下椎果です」
「木下さんなんだ!あ、名札に木下って書いてある」
彼は1人で盛り上がって1人で笑う。
「下の名前で呼ばれるのまずいですか」
「なんで下の名前知ってるのってなるから上の名前で呼んでほしい」
「えーどうしよっかなあ」