大学生をレンタルしてみた
「でもすごく大切なお友達です、でも稼いでないうちは木下さんと付き合う権利ないと思ってるんで」

私は彼の体を抑えていた手を離すと、そのまま彼は顔を近付けてきた。
私たちはキスを繰り返す。
可愛い人だと思う。
私よりも心配なところもあるけれど、私たち二人は私たちなりに、不安定なりに過ごすのだろう。

「木下さんはどうですか、俺のこと好きですか」

途中キスを止めてまっすぐ見つめられた。
私は軽く頷く。

「不安なのでちゃんと大きく頷いて下さい」
「うん」
「じゃあもっとしてもいいですか」

私はまた軽く頷くと、彼の手が私の背中に伸びてきた。首筋にキスをされ、また私の体が突然グッと強張る。

そんな私の変化に気付いたのか、晴人は顔を離して私を見た。

「はじめて?」

その顔は私をバカにするわけでもなくて、確かめたい表情だった。

「はじめて」

引かれるかもしれないと少し心配したけど、彼は私の答えを聞いても表情を変えなかった。そのまま「分かった」と頷く。

「無理って思ったらちゃんと言って」

彼は私の頭を撫でる。
「わかった」と答えた。

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