はじめてのエール
10.あふれる涙
そうだったんだ……。
わたし、先輩は自分とはなにもかもちがうと思ってた。
明るくて、カッコよくて、自由に走ることもできて。
はるか遠い世界の存在だと思ってた。
でも、そんなのは大きなかんちがいだったんだ。
――こういうときにつくづく思うよ。元気って分けてあげられたらいいのにって。
――二度とそんなこと言うんじゃない。
――オレ、しずくちゃんが応援してくれたらきっとがんばれるから。当日、よろしくな!
「どうしたの!? しずく」
突然泣き出したわたしを見て、友だちは大あわて。
ゴメン、みんな。でも、どうしても涙が止まらないの。
分かってたんだ。
分かってたんだ、先輩はぜんぶ。
身体を思うように動かせないつらさ。
自分が他のひとの足手まといになってるんじゃないかって不安。
わたしがずっと抱えていた苦しみや悲しみ。
ぜんぶ、ぜんぶ分かってたんだ。
自分が身をもって経験してたから。
「先輩……」
わたしは、こんなふうに泣き虫で、みんなと同じようにできなくて。
いつも、自分に自信がなかったけど。
でも、体育祭のときにはできるだけがんばってみせるから。
クラスのみんなのことや、先輩のこと、一生けん命応援するから。
自分にできること、精いっぱいやってみせるから。
まだ涙がにじむ顔をあげると、少しだけ心が軽くなった気がした。
わたし、先輩は自分とはなにもかもちがうと思ってた。
明るくて、カッコよくて、自由に走ることもできて。
はるか遠い世界の存在だと思ってた。
でも、そんなのは大きなかんちがいだったんだ。
――こういうときにつくづく思うよ。元気って分けてあげられたらいいのにって。
――二度とそんなこと言うんじゃない。
――オレ、しずくちゃんが応援してくれたらきっとがんばれるから。当日、よろしくな!
「どうしたの!? しずく」
突然泣き出したわたしを見て、友だちは大あわて。
ゴメン、みんな。でも、どうしても涙が止まらないの。
分かってたんだ。
分かってたんだ、先輩はぜんぶ。
身体を思うように動かせないつらさ。
自分が他のひとの足手まといになってるんじゃないかって不安。
わたしがずっと抱えていた苦しみや悲しみ。
ぜんぶ、ぜんぶ分かってたんだ。
自分が身をもって経験してたから。
「先輩……」
わたしは、こんなふうに泣き虫で、みんなと同じようにできなくて。
いつも、自分に自信がなかったけど。
でも、体育祭のときにはできるだけがんばってみせるから。
クラスのみんなのことや、先輩のこと、一生けん命応援するから。
自分にできること、精いっぱいやってみせるから。
まだ涙がにじむ顔をあげると、少しだけ心が軽くなった気がした。