はじめてのエール
15.これからもそばにいたい
いけない、さっき、応援はりきりすぎたせいで貧血起こしちゃったかな。
「おっと、大丈夫?」
ふらつくわたしを、ギュッと先輩が抱きとめた。
「ゴメンなさい! わたし、先輩におめでとうって言いにきたのに」
どうしよう、かえって迷惑かけちゃった。
わたしはすぐに先輩から離れようとしたけど、先輩はわたしを抱きしめたまま、
「ありがとう。ちゃんと届いたよ。しずくちゃんの応援。おかげで一位になれた」
と、耳元でささやいた。
え……?
顔をあげると、先輩はとびきりの笑顔を浮かべていて。
わたしも力になれたの?
先輩のこと、少しでも支えることができたのかな――?
「あの、白鴎先輩」
うるさすぎるくらいドキドキがおさまらないなか、わたしはやっとのことで口を開いた。
「なに?」
「わたし、これからもずっと先輩のそばにいたいです。わずかでもいいから、先輩の力になりたい。先輩の支えになりたいんです!」
こみあげてきた想いを伝えると、先輩は、ポッと顔を赤く染めた。
「まいったな……」
「す、すみません! 迷惑でしたか?」
ワタワタととまどっているわたしの頭を、先輩は大きな手でフワッとなでながら、
「その言葉、オレがしずくちゃんに伝えようと思ったのに。まんまと先越されちゃったな」
と、いたずらっぽく笑ってみせた。
おわり
「おっと、大丈夫?」
ふらつくわたしを、ギュッと先輩が抱きとめた。
「ゴメンなさい! わたし、先輩におめでとうって言いにきたのに」
どうしよう、かえって迷惑かけちゃった。
わたしはすぐに先輩から離れようとしたけど、先輩はわたしを抱きしめたまま、
「ありがとう。ちゃんと届いたよ。しずくちゃんの応援。おかげで一位になれた」
と、耳元でささやいた。
え……?
顔をあげると、先輩はとびきりの笑顔を浮かべていて。
わたしも力になれたの?
先輩のこと、少しでも支えることができたのかな――?
「あの、白鴎先輩」
うるさすぎるくらいドキドキがおさまらないなか、わたしはやっとのことで口を開いた。
「なに?」
「わたし、これからもずっと先輩のそばにいたいです。わずかでもいいから、先輩の力になりたい。先輩の支えになりたいんです!」
こみあげてきた想いを伝えると、先輩は、ポッと顔を赤く染めた。
「まいったな……」
「す、すみません! 迷惑でしたか?」
ワタワタととまどっているわたしの頭を、先輩は大きな手でフワッとなでながら、
「その言葉、オレがしずくちゃんに伝えようと思ったのに。まんまと先越されちゃったな」
と、いたずらっぽく笑ってみせた。
おわり