はじめてのエール
4.心に広がる風
どうしよう、怒らせちゃった!?
いじいじして後ろ向きだって思われたかな……。
とまどうわたしに、先輩は、ふうっとため息をついて。
「あのさぁ。そんなの文句言ってくるヤツのほうが悪いに決まってんだろ。なんで、しずくちゃんがエンリョしないといけねーんだよ」
「えっ?」
てっきり怒られるかと思ったのに。
わたしに向けられた先輩の表情はとても悲しそうで。
見ているこっちまで切なくなってくる。
「でも、みんな負けるより、勝つほうがいいだろうし――」
すると、先輩はいかにも腹立たしそうに
「そこまでして勝ちたいヤツなんて、ロクなもんじゃねーよ。たとえ一位とったとしても、ただの負け犬だ」
と、言い放った。
「先輩……」
なんだろう、心にさわやかな風がふきこんできたみたい。
ずっと自分なんて足手まといだと思ってた。
でも、こんなふうに想ってくれるひとがいたなんて。
心臓が、ドキドキ高鳴ってる。
いじいじして後ろ向きだって思われたかな……。
とまどうわたしに、先輩は、ふうっとため息をついて。
「あのさぁ。そんなの文句言ってくるヤツのほうが悪いに決まってんだろ。なんで、しずくちゃんがエンリョしないといけねーんだよ」
「えっ?」
てっきり怒られるかと思ったのに。
わたしに向けられた先輩の表情はとても悲しそうで。
見ているこっちまで切なくなってくる。
「でも、みんな負けるより、勝つほうがいいだろうし――」
すると、先輩はいかにも腹立たしそうに
「そこまでして勝ちたいヤツなんて、ロクなもんじゃねーよ。たとえ一位とったとしても、ただの負け犬だ」
と、言い放った。
「先輩……」
なんだろう、心にさわやかな風がふきこんできたみたい。
ずっと自分なんて足手まといだと思ってた。
でも、こんなふうに想ってくれるひとがいたなんて。
心臓が、ドキドキ高鳴ってる。