はじめてのエール
7.わたしの気持ち
「え? 体育祭に参加したい?」
翌日。
職員室でわたしの申出を聞いた担任の先生は、正直驚いていた。
そうだよね。
ふだん体育の授業でもすぐにへばっちゃうわたしが、体育祭に出るだなんてビックリしちゃうよね。
やっぱり足手まといって思われたかな……。
でも、ちゃんと自分の気持ちを伝えなきゃ。
せっかく先輩と約束したんだし!
「今まで身体動かすイベントは、みんなの迷惑にならないよう、なるべく休むようにしてたんですけど、応援とか、わたしにも力になれることがあったら、手伝いたいなって」
先生は、静かにわたしの話に耳をかたむけていたけど、やがて、ニッと笑顔になって。
「うれしいわ。そんなふうに言ってくれて」
「え?」
「実は、鳥海さんにも体育祭に参加してほしいってずっと考えてたの。でも、身体のことがあるから、ムリにはすすめられなくって。でも、鳥海さんが参加に前向きでホッとしたわ」
先生は天井をあおぎながら、
「正直ね、体育祭なんていうと、メンドくさいからサボっちゃえ、なんて子もけっこういるのよ。わたしみたいな大人からしてみれば、二度とやってこない貴重な青春のひとときをムダにするなんて、もったいない気がするんだけど。どうせなら、めいっぱい楽しむほうがいいわよね。そう思わない?」
と、つぶやいた。
「それじゃあ……」
いいの? わたしが参加しても。
「もちろん、あなたの体調は考慮するわ。ほかの先生とも相談して、あなたが安心して参加できるようサポートするから」
まかせなさい! と、先生。
「ありがとうございます……!」
みんなにはあたり前のことかもしれない。
だけど、わたしはこんな日が来るなんて今まで想像もしてなかった。
わたしも出られるんだ。生まれてはじめての体育祭に。
翌日。
職員室でわたしの申出を聞いた担任の先生は、正直驚いていた。
そうだよね。
ふだん体育の授業でもすぐにへばっちゃうわたしが、体育祭に出るだなんてビックリしちゃうよね。
やっぱり足手まといって思われたかな……。
でも、ちゃんと自分の気持ちを伝えなきゃ。
せっかく先輩と約束したんだし!
「今まで身体動かすイベントは、みんなの迷惑にならないよう、なるべく休むようにしてたんですけど、応援とか、わたしにも力になれることがあったら、手伝いたいなって」
先生は、静かにわたしの話に耳をかたむけていたけど、やがて、ニッと笑顔になって。
「うれしいわ。そんなふうに言ってくれて」
「え?」
「実は、鳥海さんにも体育祭に参加してほしいってずっと考えてたの。でも、身体のことがあるから、ムリにはすすめられなくって。でも、鳥海さんが参加に前向きでホッとしたわ」
先生は天井をあおぎながら、
「正直ね、体育祭なんていうと、メンドくさいからサボっちゃえ、なんて子もけっこういるのよ。わたしみたいな大人からしてみれば、二度とやってこない貴重な青春のひとときをムダにするなんて、もったいない気がするんだけど。どうせなら、めいっぱい楽しむほうがいいわよね。そう思わない?」
と、つぶやいた。
「それじゃあ……」
いいの? わたしが参加しても。
「もちろん、あなたの体調は考慮するわ。ほかの先生とも相談して、あなたが安心して参加できるようサポートするから」
まかせなさい! と、先生。
「ありがとうございます……!」
みんなにはあたり前のことかもしれない。
だけど、わたしはこんな日が来るなんて今まで想像もしてなかった。
わたしも出られるんだ。生まれてはじめての体育祭に。