嘘つき運命ごっこ
今日までは祖父母の家に泊まらせてもらい、私たちは明日ゆっくりと自宅へ帰ることにした。


お風呂上がり、一番風呂に入ったおばあちゃんの姿が見えず、探してみると、縁側へ続くガラス戸が開いていることに気づいた。

おばあちゃんは夜空を見上げ、ボーッと座っているように見える。


「おばあちゃん、寒くない?風邪引くよ」

「芙結ちゃん、もうお風呂は入ったの?」

「うん。今はパパが入ってるよ」

「そう」


柔らかな笑顔を見せた後、おばあちゃんはまた空に目をやる。

私も隣に座って、夜空を見上げた。

雲もなく、星が綺麗に見える。
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