嘘つき運命ごっこ
「芙結ちゃんは、好きな子いないの?」

「えっ!?なに、突然」

「この間、連絡とってた子?」

「だから、瑞貴は友達だってば」

「瑞貴くんっていうのね」


フフッと楽しそうに笑う目には、夜空に何が見えてるんだろう。


「おばあちゃんね、芙結ちゃんよりももう少し大きかった頃かな。おじいちゃんじゃない人と、結婚の約束をしてたのよ」

「えっ、そうなの?何歳くらい?」

「19歳の時だったかしら」

「うわ、若っ」


19っていうと、私、あと三年しかないんですけど。

三年後に結婚……。

ない、絶対に。
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