嘘つき運命ごっこ
*
パンッ!!
両手を頬に叩きつけ、その音に瑞貴がびくっと静止した。
「え、芙結、どうしたの」
「あ、ごめん……」
いけない、思い出してしまった。
想像していたものとは、随分かけ離れた運命の出会いを。
「てか、どんななの?その運命の相手って」
結論から言う。
最悪だった。
「うん、かっこよかった」
顔はね。と、引きつった笑顔で、心の中だけで付け加える。
本当は、好感度は二桁もあるのか怪しい。
でも、大丈夫。
運命の人なんだから。
「あいつなんて大ッキライ!だけど、でも、どうしてこんなに気になるの?」みたいな。
いつの間にか好きになっていくことってよくあるし。
少女漫画とかで、一万回見た。
思っていた100倍は口が悪かったけど。
現に、学さんのこと、めちゃくちゃ気になってるし。
オッケー!ここから始まるんだ!
……多分!
昨日から、自分にそう言い聞かせ続けていないと、心が折れそうになる。
いや、だって、私も悪かったし。
いくら赤い糸が結ばれてびっくりしたからって、あれはなかった。
唐突にあんなことを言われたら、誰だって引くに決まってる。
「いいや、それでも俺は諦めないから」
瑞貴の真剣な表情に、不覚にもドキッとするけれど、すぐに右手の小指を見た。
相変わらず伸びている、赤い糸。
その先は……。
パンッ!!
両手を頬に叩きつけ、その音に瑞貴がびくっと静止した。
「え、芙結、どうしたの」
「あ、ごめん……」
いけない、思い出してしまった。
想像していたものとは、随分かけ離れた運命の出会いを。
「てか、どんななの?その運命の相手って」
結論から言う。
最悪だった。
「うん、かっこよかった」
顔はね。と、引きつった笑顔で、心の中だけで付け加える。
本当は、好感度は二桁もあるのか怪しい。
でも、大丈夫。
運命の人なんだから。
「あいつなんて大ッキライ!だけど、でも、どうしてこんなに気になるの?」みたいな。
いつの間にか好きになっていくことってよくあるし。
少女漫画とかで、一万回見た。
思っていた100倍は口が悪かったけど。
現に、学さんのこと、めちゃくちゃ気になってるし。
オッケー!ここから始まるんだ!
……多分!
昨日から、自分にそう言い聞かせ続けていないと、心が折れそうになる。
いや、だって、私も悪かったし。
いくら赤い糸が結ばれてびっくりしたからって、あれはなかった。
唐突にあんなことを言われたら、誰だって引くに決まってる。
「いいや、それでも俺は諦めないから」
瑞貴の真剣な表情に、不覚にもドキッとするけれど、すぐに右手の小指を見た。
相変わらず伸びている、赤い糸。
その先は……。