嘘つき運命ごっこ


登校して教室に入ってすぐに、リサを見つけた。

上級生の男子がふたり、教室の中のリサの席で囲んでいる。


「梨沙子ちゃん、まじで可愛いよね。いいじゃん、ご飯くらい付き合ってくれても」

「そうそう。友達も連れてきていいからさ」


一方的に話しかけられ、リサは自分の席に着き、すっかり萎縮してしまっている。

顔色も悪い。


私はすぐに駆け出し、上級生のあいだに割って入って、リサの正面を陣取った。
< 174 / 261 >

この作品をシェア

pagetop