嘘つき運命ごっこ
もちろん、先生の手伝いなんかあるはずもなく、私たちは三人で図書室に移動した。

幸い、朝から使っている生徒はいなくて、声を出しても誰にも迷惑をかけることはない。


「ありがとう、芙結ちゃん……。瑞貴くんも」

「ううん。大丈夫だった?」


安心したからなのか、リサは先ほどよりも盛大に涙を流しながら、私の胸に頭を預けた。


「だから、男なんか嫌い……。皆、梨沙子に嫌なことばっかりする」


リサとは高校からの付き合いだから詳しくは知らないけど、今まで相当嫌な目にあってきたことは聞いている。

それこそ、幼少期から。
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