嘘つき運命ごっこ
「さっきの人たちも、しつこいの。何回断っても、全然聞いてくれない。たまに、待ちぶせもされてて。気持ち悪い……」

「は!?待ちぶせ!?もー、呼んでよ、そんな時は。いつでも行くから」

「ううん、芙結ちゃんにばっかり迷惑かけられないし。本当は、全部自分でなんとかしなきゃいけないことだから」

「迷惑なんて、思ってないってば」


顔を上げたリサは小さく笑って、「ありがとう」と涙を指で拭う。

そして、次に瑞貴を見た。


「男は嫌いだけど、瑞貴くんは別だよ。助けてくれて、ありがとう」

「俺が、芙結しか見てないからでしょ?」

「うん。そういうところ、いいと思う」

「光栄です」


なんだ、この会話……。

私は苦笑いをして、リサの手を取った。


「落ち着いてから、教室に戻ろっか」
< 177 / 261 >

この作品をシェア

pagetop